FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2016/09/05 月曜日

日経平均、先週末の終値より100円以上値を上げまして、先物にピッタリと吸い付くように月曜日をスタートしております。これ、いつも不思議なんですよね。いや、金融工学的な「先物へ指数の収束」と言う理論は分かるのですが、よくもまあ開始直後の一瞬でキレイに決まるなと(笑)。

飛行機が飛ぶ理論は分かってはいても、実際に300トンを超えるような物が飛ぶってのが不思議にも思えたり、水中の浮力は分かっていても、比重が1を遥かに超える鉄の塊である船が浮くのが不思議に思えたり、そんなのと同じ感覚です。

理論さえ確立してしまえば、よくSFに出てくるようなUFOがヒュンっと飛び立つような反重力みたいな物も、飛行機が飛ぶ理由や、船が浮かぶ理由なんかと同じように「理論で分かっていても不思議」と言うような感覚になるものでしょうかね。

 

そう言えば、宇宙人がいるかどうかたまに騒ぎになりますが、先日もロシアの電波望遠鏡を使った調査で、宇宙空間から人工的な信号をキャッチしたとかなんとか、話題になっておりました。宇宙が大好きな、うちのお姉ちゃん(長女)は大興奮だったのですが、数学してた者からすれば、物理学者が出した宇宙に関する定義が間違っていない限り、この宇宙には我々と同じ文明レベルに到達するであろう星は、数万いや数十万と言う単位で存在しているであろうと考えられます。

人類の歴史を見て分かるように、ここ100年の文明進化はそれ以前の数百年の進化を遥かに凌駕しており、この先100年の進化は過去100年の進化を超えた進化になるであろう事は、小学生でも理解できるハズです。つまり、我々と全く同じ速度で進化した知的生命体があれば、宇宙の歴史で言ったら一瞬にもならないような100年単位でここまで文明レベルが変わると言う事は、我々よりも数百年、数千年前に我々の文明レベルに到達していた知的生命体がある、というよりも無い方がおかしいと言うことです。

と、数学者が言いますと、物理学者は「見たこと無いから、存在していないと同義」と言いますし、政治学者は「地球に攻めて来ないと言う事は、戦争を行わない知的レベルにしか到達していないのだろう」と言いますし、それぞれ言いたいことがあるようです(笑)。

 

一方、経済学者的には宇宙の事なんてどうでもよく、経済学で宇宙は存在していない事になってるのでは無いかと思うほど、無関心です(笑)。私の尊敬する経済学者に、ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・トービン博士と言う方がおられます。現FRB議長のジャネット・イエレン博士や、現内閣官房参与の浜田宏一経済学博士も、トービン博士にイエール大学で教えを受けております。

このトービン博士の発表した数々の功績の中で、一番有名なのは「トービンのq理論」と言うものがございまして、超簡単にご説明しますと「ある会社の株式総額から、その会社の借金を引いて、残額があれば(プラスであれば)企業は投資を行い、逆にマイナスであれば企業は投資を控えるべき」と言う「そんなの当たり前じゃん」今であればそう言われるでしょうが、そう言った経済学の基礎を作った方です。

 

そのトービン博士の数々の理論の中で「トービン税」と言われるものがございまして、理論的には有名なのですが、世界中どの国でも採用される事が今まで無い課税政策です。どんな内容かと言いますと「外国為替取引に課税する」と言うものです。 

例えば、1万ドルに対して1ドルの外為取引課税を行うと言うような感じで、この比率ですと0.01%ですので、大した金額では無いと思われるでしょうが、短期売買を繰り返すヘッジファンドなどでは、相当な課税額になり、短期の投機売買を抑制する効果が期待されます。

この理論が発表されたのは1972年の事でした。まだ、このグローバル化した社会を見る事無く出た理論でして、ある意味机上の空論です。それでも、メキシコ通貨危機やアジア通貨危機などの際、何度もこのトービン税が話題に出ておりまして、傍若無人なヘッジファンドに何とか煮え湯を飲ませてやりたい政府や金融当局者の焦りが見え隠れしておりました。

 

市場を荒らしてるかのようなヘッジファンドは、本当に「悪だけ」の存在なのでしょうか? 悪だけと言う事になれば、メキシコから違法薬物を密輸するメキシカンマフィアと同じと言う事です。メキシカンマフィアは、一方では熱心に地元教会に寄付をしたり、子女に教育を行ったり、親の居ない児童を養育したりとかの側面もあったりもします。

当然、違法薬物と外国為替では簡単に比べられませんが「悪だけ」の存在とヘッジファンドが定義されますと、課税で規制するよりも、投機的な通貨取引そのものを禁止すれば済む話しでは無いでしょうか?

 

このヘッジファンド、ヘッジファンドと言っておりますが、大口で投機的な取引を行う者は全て含まれますので、投資銀行も当然含まれ、それどころか市中銀行である三菱東京UFJ銀行やバンクオブアメリカ、ドイツ銀行など大手銀行も当然含まれ、いやいや、シンガポールなんかはソブリンと呼ばれる政府系投資機関も含まれてしまいます。

「値が動くから投機筋が動く」これは自然な事で、仮に規制するとなると自由経済への規制と言う事で、社会主義が至上だと認める事になりかねません。

 

そう言った倫理的な部分とは別に、本音と建前と言う部分もありまして、ヘッジファンドなどの投機筋の動きを全て封印させてしまいますと、貿易黒字国の通貨は際限なく価格が上昇し、貿易赤字国の通貨は際限なく価格が下落すると言う実情もあったりしまして、国が直接介入しなければならない状況にもなりかねません。

実需だけでしたら、貿易黒字の日本は、海外で物を売って得たドルで円を買うと言う行為をしていると、ジリジリと円が上がり続けるしか無くなってしまうのです。それを抑制するのは、ドル円相場を固定するか、日銀が円を刷ってドルを買い買ったドルはそのままにしなければなりませんから米国債を買う程度しか出来ないでしょう。 

ヘッジファンドに自由にさせておくと、そう言った貿易黒字国の通貨高を、国の評価や地政学的リスク、その他様々な要因で、勝手に判断して勝手に安くしてくれる効果があったりします。そこまでは、1972年当時は考慮する必要も無かったかもしれません。なにしろドル円なんて、まだ1ドル360円固定の時代でしたから。 

もう一つ重要なのは、このトービン税を使うとなると、世界中の国で一斉に同率で課税する必要が生じます。もし、いつものようにタックスヘイブンの国が課税をしないとなると、その国に資本が大挙して押し寄せる事になりかねません。 

 

我々の知的レベルよりも数百年進んだ宇宙人が居たとしたら、ヘッジファンド規制とか言ってる今のこの地球と言う星、ミサイルで威嚇し陣取りゲームをしている地球と言う星、いつになったら1つにまとまるのか、賭けの対象になってるのかもしれません(笑)。

 

 

また、壮大な話しになってしまいました。日経平均もどうにか17,000円を維持して本日の取引を終えたようです。とりあえず目先の事だけ考えて、今週も一週間がんばりましょう。