FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2022/05/30 月曜日

2022年第22週の月曜日です。

毎週毎週、円は対ドルでジリジリ値を切り上げて終わっている感じでして、週足で見ますと3月頭から9週連続で毎週陽線引けしていたドル円が、ここ3週間ほどキレイに陰線引けとなっております。

なんか、このチャートを見ておりますと、人為と言うか作為を感じません?人為と作為の違いと言うのが難しいのですが、調べてみますと大きな違いは、人為の場合「自然に見える」、作為の場合「自然に見えない」と言った違いのようです。この9週連続での陽線引けチャートですが、自然には見えなさそうです。


 

さて今週の予定です。まずはいつものように純粋な数字の発表以外の金融イベントからです。

日本時間(以下全ての発表時間は日本時間)で6月1日水曜日午後11時にカナダ中銀カナダ銀行が今後の金融政策を発表します。政策金利は現状 1.00%から 50bp(ベーシスポイント)アップの 1.50%となる予想になっております。まあ、多分そうなるのでしょう(笑)。もう、この世界中の中銀による利上げに関しては、利上げと言うより正常化と言った方がいい感じです。

これ以外の国も含め、今週の各国中銀の金融政策発表としては、30日月曜日午後1時半キルギスタン,午後10時半ケニア,(時間未定)ガンビア、31日火曜日午後9時ハンガリー、6月1日水曜日午後11時カナダ,(時間未定)アンゴラ、2日木曜日午後8時ウクライナなどが予定されております。

2日木曜日早朝3時に米地区連銀経済報告いわゆるベージュブックが公開されます。ベージュブックが何なのかは、過去に何度も何度も何度も何度も書いておりますので詳細は省略しますが、このベージュブックが次回FOMCで議題のたたき台になるため、利上げ利下げの予想が難しい時などにはこのベージュブックでドッカ~ンと動く事もあります。ベージュブックはマスコミが伝えるような恣意が入った情報ではなく、標準化した目線から全米の現状を鳥瞰できる数少ない報告書でして、最近は特にその重要性が増していると私は考えております。為替や株の金融取引では、正しく大きく全体の流れを見た視点と言うのは非常に重要で、多くの人達がマスコミやSNSが伝える情報を鵜呑みにする中で、正しい情報を得ると言うアドバンテージは「ずるい」と言えるほど大きなものです。せっかく無料で全世界に公開してくれるのですから、これを見て利用しない手はありません。今回のベージュブックのポイントとしては、これまでイケイケモードだったアメリカの各種経済指標の軟化をどう評価するのか?と言ったところでしょう。利上げ速度が市場の期待と乖離するような可能性を含む内容ですと、ドル売りモードに火が点く可能性もありえそうです。

 

次に、純粋な数字だけの指標です。

本日30日月曜日、アメリカさんがメモリアルデーの祝日でお休みでして、まともな指標がありません。また、完全な月末では無い「月末に近い日」と言う微妙な日でして、アメリカ以外でも重要そうな指標が少なく、強いて言うなら午後9時にドイツの消費者物価指数(CPI,HICP)の発表があるくらいでしょうか。

明日31日火曜日午前8時半に日本の失業率など雇用関連指標が発表になります。日本の数少ない重要指標でして、ハードカレンシー発券国の雇用関連指標ですので赤字にしておきたいと思います(笑)。午後4時55分にドイツの失業率など雇用関連指標も発表になりますが、ユーロ圏の構成国1ヶ国の指標で動くような地合いでも無いでしょう。午後6時にユーロ圏の月次消費者物価指数(HICP)速報値が発表になります。物価が伸びているのにも関わらず、ECBが口先だけの強気姿勢のままで利上げを躊躇している感じから、今回もまた発表後にその辺りがどのように評価されるのか注目しております。午後9時半にカナダの月次国内総生産(GDP)の発表があります。カナダ好きの私としては、カナダの重要指標と言うだけで赤字強調です(笑)。午後10時にアメリカの米連邦住宅金融局(FHFA)が発表する住宅価格指数と、同じく午後10時にアメリカのファイサーブ社が集計しS&P社が発表するケースシラー(CS)住宅価格指数の発表があります。指標発表サイトなどではCS米住宅価格指数をメインにしているんですが、こちらは全米の主要都市における実際に取引された様々な物件を集計しているため、現金で購入された物件も、低額物件も高額物件も全て含まれております。対してFHFAが発表する方は公社融資を受けた全米全ての物件が対象となるため、あらゆる都市が含まれている一方、公社融資の受けられる信用力が高い者が購入した物件だけが集計対象となり、当然ですが現金で売買された場合や、信用力が低く民間の金融機関だけで融資を受けた場合は集計に入りません。統計を分析するためには、何がなんでも全ての情報をかき集めればいいと言うわけではありませんが、こう言う事も知った上で指標を見る事は、数字を見て判断する上で必要な知識かと思います。政策金利を利上げするとなったら、当然に住宅ローンの利率も上り、住宅価格も上昇します。既に住宅価格は高騰しておりますので、今まで以上に注目度が上がりそうなのが住宅価格指数でしょう。

6月1日水曜日、この日はマークイット社による製造業購買担当者景気指数(PMI)の集中発表が予定されております。主要国のPMIについては確定値となりますが、欧州やアメリカはPMIで振れやすいため、それぞれの国の発表時間にだけ若干の注意をしておいた方が良さそうです。フランスが午後4時50分、ドイツが午後4時55分、ユーロ圏が午後5時、英国が午後5時半、アメリカが午後10時45分となってます。午前10時半に豪州の第1四半期国内総生産(GDP)の発表があります。今回は事前の市場予想が随分と前回値を下回っているため、仮に予想どおりだったとしても絶対的に数値が落ちている事で豪ドルの売りが入る可能性もあるかと思います。十分注意しておきたい指標です。午後11時にアメリカのISM製造業景況指数の発表があります。この発表の15分前にマークイット社のPMIが発表されるので、その数字次第ではマークイット社のPMIからのコンボでドル急変が発動するかもしれません。また、今回はカナダ中銀の金融政策発表とも重なっているため余計に注意が必要です。

2日木曜日、午後9時15分に米ADP社の全米雇用レポートの発表があります。ぶっちゃけ、そろそろ雇用統計の先行指標と言われていた事すら、人々が忘れつつある指標となってきました(笑)。午後9時半にアメリカの週次失業保険関連指標の発表があります。一応、この2つが雇用統計を前にした雇用関係の指標ですので、一応は注意しておいた方がいいでしょう。

3日金曜日、この日はマークイット社によるサービス業と複合の購買担当者計指数(PMI)確定値の集中発表日になっております。発表時間は1日水曜日と同じですので、その時間だけ一応気をつけておけばいいでしょう。そして午後9時半にアメリカの雇用統計が発表されます。市場の皆さんとしては、アメリカの指標が軟調になって来た事を追いたい感じがありまして、今回の雇用統計でも前回値を下回った数字が出たら高反応、前回値より上回った数字が出ても低調な感じになりそうな感じがします。特に重要なのが賃金の伸びでして、物価上昇とくらべてどうなのか?そこが突っ込まれるポイントとなるかと思います。一応は今週の注目ナンバーワン指標となってます。最後、午後11時にアメリカのISM非製造業景況指数があります。この発表の15分前にマークイット社の同種の指標サービス業PMIが発表されるので、そこからの流れも注意したいところです。今週の注目指標は以上となります。


 

さて、いよいよ今週で6月に突入します。早いもので、もう2022年の半分まで差し掛かろうとしております。6月と言えば早い企業や官公庁でボーナスの時期でして、ボーナスなんて無い我々のようなトレードを生業とする者からしたら「ボーナス無いなら自分で作ればいい!」と言う事になります(笑)。さあ、ボーナス分を時前で用意できますよう、とりあえず今週も一週間がんばってまいりましょう。


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