FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2021/07/12 月曜日

2021年第28週の月曜日です。

G20財務相中央銀行総裁会議が終わりまして、全世界で最低税率15%以上を目指すと言う事で決着したようです。

www.nikkei.com

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もっとも本来は税率の問題ではなく、各国によって違う課税システムが問題なのであって、仮にこの条件を世界中の国が守ったとしても、なかなかこの15%と言う数字だけで全てが解決できるものでもありません。

最近の節税と言う名の元に繰り広げられる課税逃れは、従来の税率が低い国=租税回避地(タックスヘイブン)を利用したものよりも、むしろ税率が違う国を連鎖させて本国での課税逃れがメインで、更には直接の資本関係を断ってフランチャイズ契約にしてみたり「そこまでするんか?」と言ったものまで含まれます。これ、小金持ちの中小企業のオヤジがやるのではなく、裏技見っけ!とばかりに巨大企業がやるため大事(おおごと)になっているわけです。

私だけかもしれませんが、この「そこまでするんか?」的な課税逃れを見聞きしますと、どうしても一昔前にライブドアが株式100分割した際に「禁止されていないからやった」と言うのを思い出してなりません。なんでもやりすぎると、必ず自分に返ってくる事を忘れないようにしたいものです。


 

さて今週の予定です。まずはいつものように純粋な数字の発表以外の金融イベントからです。

日本時間(以下全ての発表時間は日本時間)で7月14日水曜日午前11時に、ニュージーランド中銀のニュージーランド準備銀行(RBNZ)が今後の政策金利と金融政策を発表予定です。政策金利については、現状 0.25%の維持との事前の市場予想となっております。毎回言っているような気もするんですが、先進国中銀の中でRBNZが一番サプライズ的な変更を好む傾向にあり、予断を許さない感じです。

同じく14日水曜日午後11時にカナダ中銀カナダ銀行が今後の金融政策と政策金利を発表予定です。また、金融政策発表後にはカナダ中銀総裁の会見が予定されておりますが、正確な時間が未定のため直前のアナウンスに注意しておきたいとこです。ここ最近、ちょこちょこと細かい金融政策修正を行っている中銀が多い中で、カナダ銀行は前回6月9日にあった金融政策決定におきまして、何一つ変えないと言う男気を披露(笑)スタンスを維持しておりまして、今回は何か変更があるんじゃないかな?と思っております。

16日金曜日正午前後に日本銀行が金融政策決定会合を終え、決定した今後の金融政策を発表予定です。政策金利である補完当座預金制度適用利率はマイナス 0.10%の現状維持との市場予想になっております。また、今回は年に4回公開されます「経済・物価情勢の展望」いわゆる日銀展望レポートが金融政策の発表と同時に公開される事になっております。いくら欧米の中銀とは別の独自路線を貫く必要性が高い日銀にしても、そろそろ将来の方向性を見定めたい時期にはきてまして、もしかしたら金融政策決定会合の中身よりも展望レポートの方で市場の動きがあるかもしれません。それと、いつものように午後3時半から黒田総裁の定例記者会見の予定です。4月以降は、入退場の際だけマスクを着用し会見中はアクリル板の向こう側でマスクを外してくれるようになった黒田総裁ですが、前回6月の会見の際には外したマスクを小さなクリアフォルダーのようなマスクケースに挟んでおりました⇩

これ、使い方によっては、マスク外側に付着したチリやホコリ、そしてウイルスまでもマスク内側に移してしまう可能性が高いので、十分ご注意してお使い頂きたいと思うところです。前回、これ気になってしまって気になってしまって・・・・・・

今回は気にしないように、会見始まる直前に総裁の手元にテロップが入って見れなくなるテレ東の動画配信で見ておこうかと思ってます(笑)。 

これ以外の国も含め、今週の各国中銀の金融政策発表としては、12日月曜日:午後5時フィリピン、14日水曜日:午前11時ニュージーランド,午後8時トルコ,午後11時カナダ、15日木曜日:午前7時チリ,午前10時韓国、16日金曜日:正午ころ日本、17日土曜日:午前3時ウルグアイ,午前6時半ジャマイカ、などが予定されております。この中で少し気になるのはトルコでして、どこの指標サイトでも事前の市場予想は 19%据え置きとなってますが、どうも最近ここの中銀総裁と大統領の関係性を報道で見てますと、そろそろ中銀総裁が負けそうな気がしてきてまして、驚きの利下げがあるような気がしてなりません。私はトルコリラを取引はしておりませんが日本の皆さんで割とお好きな方が多くおられるので、少し気になっております。

 

13日火曜日午後3時に英中銀(BOE)イングランド銀行が年に2回だけ公表する「金融安定報告書 FSR(Financial Stability Report) 」を公表します。銀行監督など金融システムまで含めた大きな内容なので、こと金融政策についての直接の言及はあまりないでしょうが、新型コロナウイルスに対する自画自賛評価など市場の皆さんが気になる項目もあるかと思われます。

15日木曜日早朝3時に米地区連銀経済報告いわゆるベージュブックが公開されます。ベージュブックが何なのかは、過去に何度も何度も何度も何度も書いておりますので詳細は省略しますが、このベージュブックが次回FOMCで議題のたたき台になるため、利上げ利下げの予想が難しい時などにはこのベージュブックでドッカ~ンと動く事もあります。ベージュブックはマスコミが伝えるような恣意が入った情報ではなく、標準化した目線から全米の現状を鳥瞰できる数少ない報告書でして、最近は特にその重要性が増していると私は考えております。為替や株の金融取引では、正しく大きく全体の流れを見た視点と言うのは非常に重要で、多くの人達がマスコミやSNSが伝える情報を鵜呑みにする中で、正しい情報を得ると言うアドバンテージは「ずるい」と言えるほど大きなものです。せっかく無料で全世界に公開してくれるのですから、これを見て利用しない手はありません。

 

直接、金融政策とは関係しない政治絡みのイベントとしては、15日木曜日早朝1時から米下院金融サービス委員会におきまして、同じく15日木曜日夜10時半から米上院銀行委員会におきまして、FRBパウエル議長による議会証言があります。重要なのは初日の議会証言前に公開される議会証言文ですが、公表は遅くても初日の2時間程度前14日水曜日午後11時前後になるかと思われるものの、最近ですと前日に公開されたり更にもっと早く公開される事もあり、今回も今日あたりから注意しておきたいと思います。

連邦準備制度(FRS)の公式ページにある議会証言関連の発表ページ⇩ 

www.federalreserve.gov

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次に、純粋な数字だけの指標です。

本日12日月曜日、午前8時50分に日本の機械受注があります。この日は他に書く指標がなくて、日本の機械受注でもあってよかった(笑)。

明日13日火曜日、午前11時から12時くらいの間に中国の貿易収支の発表があるでしょう。まるで天気予報のような中国の貿易収支発表ですが、ここはそう言うものだと思って諦めるしかありません。中国の他の指標のような「今週どこかで発表になる」とか言うものよりマシです。午後9時半にアメリカの消費者物価指数(CPI)の発表があります。週が始まってまだ2日しか経たない火曜日の夜なんですが、もういきなり今週注目ナンバーワン指標の登場です。最近FRBは、上振れしてでも物価上昇を目指す勢いになってまして「物価上昇なければ利上げなし」の感じになってまして、実際のところは物価上昇を盾にして利上げしない事を正当化しようとしている気もしないでもないんですが、そこはあえて見ないフリしてお付き合いしておいた方がいい雰囲気です。ちょっとでも、仮に0.1ポイントでも事前の市場予想を上回ったら極端にドル買い・株売り、0.1ポイントでも下回ったらドル売り・株買いなんて感じにもなりそうでして、指標サイトではなく、直前にロイターやブルームバーグが集計し発表する市場予想中心値をよく確認しておく事をおすすめします。

14日水曜日午後3時に英国の消費者物価指数(CPI)など各種物価指数の集中発表があります。英国に関しても、英中銀BOEの関係者が物価上昇について随分と発言を繰り返しておりまして、赤太文字にしておきたいくらい重要度が高い指標と言えます。午後9時半にアメリカの生産者物価指数(PPI)の発表があります。前日にCPIの発表が終わっているので大きな動きは無いかと思いますが、もし前日のCPIの数字が悪かった場合に注目が移ってくる可能性もあるため、CPIの結果次第では注意した方が良さそうは指標発表です。

15日木曜日、午前11時に中国の第2四半期国内総生産(GDP)の発表があります。今ではもう随分とオセアニア通貨への瞬間的な影響力が薄くなってきた中国の指標ですが、世界経済のひとつとして注意はしておきたいところです。午後3時に英国の失業率など雇用関連指標の発表があります。この指標も米雇用統計と同じで、中銀の政策金利にどの程度影響があるのかによって注目度が変わるため、今は極端に大きなブレが無い限りは特に目立った動きは金融市場に無いかと思われます。

16日金曜日、午後6時にありますユーロ圏の消費者物価指数は確定値のため、あまり意識しなくてもいいかと思います。午後9時半にアメリカの小売売上高があります。アメリカの小売売上高は重要な指標なんですが、特に重要月間と言うわけではない6月の数値なので、極端に数値がブレていなければスルーされる可能性すらありそうです。もちろんブレブレにブレてガンガン値動きしてくれる事を期待したような気もしないでもないような(笑)。最後、午後11時にミシガンなんとかかんとかどうのこうの・速報値があり今週は終了となります。 


 

昨日、東京は非常に晴れた日曜日だったんですが、ニュースや天気予報で言われていたように、夕方から突如凄い大雨が降ってきました。今の御時世、この凄い大雨を「土砂降り」と表現していいものなのか非常に悩むところで、スコールと言うのはオカシイんですが、やっぱりゲリラ豪雨と言うのが適切でしょうか。

tenki.jp

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あっ、でも tenki.jp でも土砂降り表現だった(笑)。過度な言葉狩りに恐れない方がいいのか、それとも慎重には慎重を重ねて言葉を選んだ方がいいのか、非常に悩むところです。

今週もまだまだ梅雨は続きます。晴れ間が多い日でも突然の雨に備えながらの行動をしておきたいときですが、緊急事態宣言も出た事ですし、おうちでエンジョイしておける人はその方が良さそうです。今週も一週間、がんばってまいりましょう。 


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