FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2021/03/01 月曜日

2021年第9週の月曜日です。

さて、ついに3月に入りました。先週まで、そして先月までは動く時も動かぬ時も随分と波乱含みだった外国為替市場ですが、3月初めての月曜日開始は随分とおとなしく始まりまして、前週末とほぼ変わらずのスタートでした。 


 

それでは今週の予定です。まずはいつものように純粋な数字の発表以外の金融イベントからです。

日本時間(以下全ての発表時間は日本時間)で3月2日火曜日お昼過ぎの午後0時半に、豪州中銀RBAが政策金利と今後の金融政策を発表します。特に政策金利の変更や大きな金融政策変更の予想は無いものの、最近各国の中銀を苦しめ始めている債券利回りの上昇が豪州でも発生しておりまして、先週は豪州3年債利回りが政策金利の 0.10%を大幅に超える 0.14%に達した事もあり、声明文でなんらかの言及をされる可能性もあります。もともと、米国債利回りの急激な上昇が背景にある各国の債券利回り上昇でして、米国債利回り上昇がテクニカル的な物との見方が強くなっている事が他の国の債券利回り上昇抑制に果たしてどれほど影響があるのか、また、中銀がテクニカル的な物との判断を支持していいのかと言う問題もありまして、RBAの発表にはよく注意しておいた方が良さそうです。

これ以外にも中銀の金融政策発表としては、今週はエキゾチックカントリーしか無いような感じでして、3月1日月曜日午後7時ブルガリア,午後9時ガンビア、2日火曜日午前8時コロンビア、3日水曜日午後9時(前後)ポーランド、4日木曜日午後4時マレーシア,午後9時ウクライナ,(時間未定)スリランカ、5日金曜日午後10時半モルドバなどが予定されております。ポーランドも時間未定と言ったら未定な感じなんですが、会合終了後に発表する日銀方式のため一応は午後9時から午後10時ころが標準的な発表時間となってます。

3月4日木曜日早朝4時に米地区連銀経済報告いわゆるベージュブックが公開されます。ベージュブックが何なのかは、過去に何度も何度も何度も何度も書いておりますので詳細は省略しますが、このベージュブックが次回FOMCで議題のたたき台になるため、利上げ利下げの予想が難しい時などにはこのベージュブックでドッカ~ンと動く事もあります。ベージュブックはマスコミが伝えるような恣意が入った情報ではなく、標準化した目線から全米の現状を鳥瞰できる数少ない報告書でして、最近は特にその重要性が増していると私は考えております。為替や株の金融取引では、正しく大きく全体の流れを見た視点と言うのは非常に重要で、多くの人達がマスコミやSNSが伝える情報を鵜呑みにする中で、正しい情報を得ると言うアドバンテージは「ずるい」と言えるほど大きなものです。せっかく無料で全世界に公開してくれるのですから、これを見て利用しない手はありません。前回1月に開催されたFOMCの議事要旨が2月17日に公開されまして、目新しい事が無く市場での反応は全く無く終わったんですが、FRBスタッフからの報告で「金融安定性リスク」に懸念が示されてまして、同様に今回のベージュブックでも指摘される可能性があります。これが続くと、利上げへの道のりが遠くなるわけでして、つまり為替が動く(笑)。まあ、半分は希望的なものもありますが、今回のベージュブックは期待半分で「起きて待っていたい」と思う感じです。

 

直接、金融政策とは関係しない政治絡みのイベントとしては、5日金曜日から中国の国会とも言える「全国人民代表大会」が始まります。日本では「全人代」中国では「全国人代」と省略される事が多いんですが、同じ漢字圏の国ですし統一できなかったのかな?と毎年気になって仕方ありません。例年3月に開催されるところ、昨年は新型コロナウイルスが急速に拡大した事に対応するため5月開催と言うイレギュラーでしたので、約10ヶ月ぶりの全人代です。⇦昨年のコピペしたらこれも残ってた(笑)。まあ、こう言ってはなんなんですが、決定される事項は既に決まっている茶番劇のようなものでイベント的な要素が強い感じではあります。会期中、大きな問題が発生しないように中国政府は神経をとがらせるため、逆に反政府的な組織や海外からの圧力が強くなるため、近年はそちらの方が重要な感じでしょうか。香港問題しかり、少数民族問題しかり、また周辺各国との領土問題など、翌週までの全人代会期中に大きな動きがあるかもしれませんので、土日のポジション持ち越しなど十分に注意が必要でしょう。

 

次に、純粋な数字だけの指標です。

本日1日月曜日、この日はマークイット社による製造業購買担当者景気指数(PMI)の集中発表が予定されております。主要国のPMIについては確定値となりますが、欧州やアメリカはPMIで振れやすいため、それぞれの国の発表時間にだけ若干の注意をしておいた方が良さそうです。フランスが午後5時50分、ドイツが午後5時55分、ユーロ圏が午後6時、英国が午後6時半、アメリカが午後11時45分となってます。深夜24時にアメリカのISM製造業景況指数がありますので、直前のPMIが速報値と比べ大きくブレたりしますと、ISMへの影響を考えてPMI発表の段階で派手に動く可能性もあります。⇦ 実はこれ、先頭から全て2月1日月曜日と全く同じコピペです(笑)。

明日2日火曜日午前8時半に日本の失業率など雇用関連指標があります。今回は失業率が珍しく3.0%になる予想でして、昨年の8月に3%台に上昇して、そこから11月に2%台に戻ったのを死守できるかどうかがかかっております。私としては、失業率よりも有効求人倍率や労働参加率の方が重要だと思ってますが、世の中的には失業率が2%台と3%台と言うインパクト勝負なところがあります(笑)。午後4時にはドイツの月次小売売上高午後5時55分にはドイツの失業率など雇用関連指標の発表もあります。また午後7時にユーロ圏の消費者物価指数(HICP)速報値の発表もあり、ドイツの指標単体ではあまり大きく影響が無いかと思うんですが、ドイツの指標+ユーロ圏HICPの合せ技で全部悪化とかありますとユーロ相場に影響はありそうです。午後10時半にカナダの2020年第4四半期国内総生産(GDP)の発表があります。この指標、今週の注目ナンバー2指標なんですが、雇用統計がアレな現状では実は隠れナンバー1ではないかと思ってます(笑)。第4四半期の発表ですので年計も発表となりますから、一般紙でも大きく報じられるかと思われ、株価にもいつも以上に影響が出そうです。

3日水曜日、この日はマークイット社による主要国の購買担当者景気指数(PMI)確定値の発表が予定されております。発表時間は月曜日と同じですので、その時間だけ一応気をつけておけばいいでしょう。午前9時半に豪州の2020年第4四半期国内総生産(GDP)の発表があります。前日に豪州中銀RBAの金融政策発表が終わっておりますが、発表された金融政策と整合が取れないようなGDP数値が発表になりますと豪ドルがテッテレ~と動く可能性もありますので期待して注意しておく必要があるでしょう。午後10時15分に米ADP社による全米雇用レポートの発表があります。ぶっちゃけ赤字にするのもどうか?と思うような市場での反応になってきているこの指標なんですが、今回も赤字にしてあるのは句読点みたいなものです(笑)。深夜24時にアメリカのISM非製造業景況指数があります。月曜日と同じように直前のPMIが速報値と比べ大きくブレたりしますと、ISMへの影響を考えPMI発表の段階で派手に動く可能性もありますが、深夜24時のNYオプションカットへの動きだったのか効果測定が困難なため、もういっそ「深夜24時だから注意」って事でいいかと思います。⇦ ワラワナイ

4日木曜日午後10時半にアメリカの週次新規失業保険申請件数の発表があります。と言うか、これしか主だった指標がありません。午後7時にユーロ圏の失業率とか小売売上高がありますが、どうせ米失業保険指標よりも更に市場の反応が期待できない指標です。たぶん、午後7時(欧州で午前9時)発表って言う時間が悪いんでしょうね。逆に言えば、あえてこの時間にしてるって可能性もあります。

5日金曜日午後10時半にアメリカの雇用統計、同じく午後10時半にアメリカの貿易収支が発表になります。雇用統計を今週の注目指標ナンバー1として太字にするよりも、むしろ貿易収支の方を太字にしておきたいような気分でもあるんですが、最近は貿易収支も影響力が低下してまして、むしろ指標と言うもの自体が影響力なさげ?って言うような感じでもあります。これは、指標と言うものが「短期の金融市場ではもともと意味を持たないもの」でして、指標を受けた中銀の金融政策への影響と言う波及効果があるために指標で反応しているだけです。ですので、中銀が「指標見るよ~」と言ってくれませんと、あるいは「政策金利変える準備できてるよ~」と示してくれませんと、指標で反応するわけないんです。一方、長期の金融市場で見ますと、指標は十分に市場として織り込む事が可能なため、ゆっくりとしたペースで指標を受けた反応を示して行く事になります。結局、インパクトがある極端な数字でも出ない限り、今回の雇用統計でも目立った動きは無いかとは思われます。なお、今回はカナダの失業率などは次週の発表となってまして、米加で1週ズレているのが私としては嬉しいところです。加ドルは失業率での影響をマダ受けやすい感じですが、米雇用統計と一緒に発表になってしまいますと無駄になる場合が多いですし。月初週でミシガンさんもありませんし、今週は雇用統計の発表で注目指標が終わりです。


 

日本では年度末となる3月です。よく「外国では~」と言われるステレオタイプですと、日本以外は3月が年度末なんてのは無いように思われがちなんですが、そんな事はありません。英国も、カナダも、香港も、あと政府関連で言えば、ニュージーランドも、シンガポールも、と言う感じで、つまり英連邦では3月年度末の4月始まりが多くなってます。

戦前、日本も英国に倣って(ならって)しまったため3月年度末の4月始まりとなったようです。最近の日英急接近からしたら、もういっそ「日本は英連邦オブザーバー」くらいにコモンウェルスと仲良しになり、日本人がコモンウェルスゲームズでフィールドホッケーやクリケットなど日本であまり馴染みがないスポーツをしてるところを見てみたい気もします(笑)。

さあ3月になりました初めての一週間、今週も頑張ってまいりましょう。


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