FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2020/06/08 月曜日

2020年第24週の月曜日です。

本日早朝4時前後から始まったオセアニア時間では、頑張って目を細めてチャートを見たら、なんとか先週末と同レベルで始まったのかな~的な感じでした。いや、そこまでして無理やり乖離が無かった事にする必要もないんですが。個別の通貨ペアで見たら若干は上下があったものの概ね同レベルと言ったところでして、あの時間にどんなに正確に見たところで、どうせ「スプレッド大きすぎる」又は「価格提示出来ません」となって取引なんて実際には出来ないんですから(笑)。

先週はニュージーランドが女王誕生日の祝日で月曜日がお休みでしたが、今週はオーストラリアが同じく女王誕生日の祝日で本日月曜日がお休みとなっております。その辺りも、今朝の為替市場オープン時点で閑散としている影響があったのでしょう。

ところで、オーストラリアは州によっても女王誕生日が違ったりしている凄い国でして、日本の皆さんにもおなじみな大都市ブリスベンやゴールドコースト、ケアンズなどがあるクイーンズランド州では10月に女王誕生日、日本の皆さんにはあまりなじみが無く、大都市はパースしか存在していない西オーストラリア州では9月に女王誕生日など、なぜそうなのかまでは調べてません(笑)。

クイーンズランド州は名称に「クイーン=女王」とまで入るので、何かそれが理由なのかとは思ったりもするんですが、王領植民地時代にクイーンズランド植民地としてニューサウスウェールズ植民地から分離した時には、英国の前王朝ハノーヴァー朝の最後の元首であるヴィクトリア女王が元首でしたが、お誕生日は5月、即位は6月と、全くクイーンズランド州の女王誕生日である10月にかすりもしません。英連邦には、ほんと不思議がいっぱいです。


 

週末のニュースで特に大きく為替が動きそうなものはなく、一番注目だったのはアメリカの大統領選挙の民主党指名候補がバイデン氏に確定したと言うものでした。

jp.reuters.com

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事前の支持率調査くらい当てにならないものも無いんですが、それでも現時点では現職トランプ大統領とバイデン氏に明らかに支持率の差があるようです。

www.bloomberg.co.jp

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今後この差が埋まらず、あるいは更に開くような事がありますと、起死回生を狙ってトランプ大統領による奇策とも言えるような政策が出てくるとも限らず、そう言う方向からも注意しておかなければならない状況になってきたとも言えるかと思います。 


 

さて今週の予定です。まずはいつものように純粋な数字の発表以外の金融イベントからです。

日本時間(以下全ての発表時間は日本時間)で6月11日木曜日早朝3時に米連邦公開市場委員会FOMCが2日間の会期を終えまして、今後の金融政策を発表します。今週のメインがFOMCと言うか、これ以外には大きな金融イベントが無いと言った感じです。

政策金利は現状維持の 0.00-0.25%水準のままであろうと大方のアナリストが予想しておりまして、たぶんそうなるのでしょう。政策金利についての注目点は「トランプ大統領の求めるマイナス金利についての検討をどれだけしたのか」あるいは「検討自体したのか」と言うところです。声明文に盛り込まれるとまでは思っておりませんし、市場ではFRBがマイナス金利を取ることは懐疑的です。ただ、新型コロナウイルスがアメリカで急速に蔓延してきた時のパウエル議長のスピード感と行動力からしたら「必要があれば実施は否定しない」くらいの言葉を声明文発表後の記者会見で引き出してみたいとマスコミの皆さんもお考えでしょう。

今回はFOMC声明文と同時に長期展望(Projection Materials)が公開される回となります。通常、この長期展望で重要なのが今後政策金利がどのようになるのかFOMC委員の予想を図式化したドットチャートでして、この新型コロナウイルスによる経済的なダメージを極度に受けた状況の中、アメリカの、そして世界の金融政策の中心にいるFOMC委員がどのように感じているのか非常に注目しております。

ドットチャートって過去に何度も書いてますが、こう言うやつ⇧で、よく街頭アンケートで「シール貼ってください」的なアレと同じです(笑)。これで、どのレンジで今後の政策金利を見据えているFOMC委員がどれくらいいるのか一目瞭然と言うわけです。このドットチャートの平均をFRBで計算して書いておいてくれたら嬉しいんですが、FRBとしては「そう言う使い方ではない」と言うのが公式なスタンスで、このドットの分布からFOMC委員による今後の予想される政策金利を計算するのは金融系通信社の皆様のお仕事となってます。別に自分で計算してもかいませんけど。

あとFRBが3月から無制限としている国債購入プログラムですが、毎週順調に購入額を減額してまして、遂に今週からは、昨年の10月から今年の3月の無制限国債購入を開始するまで行っていた「短期債購入を始める前の状況」と同じ、週に200億ドルの国債購入へと減額になりました。実際のオペレーションはニューヨーク地区連銀で行ってますが、FOMCでの決定を元にオペレーションをしているだけですので今後どうするのか決めてもらう必要があるわけです。

そんな感じで今回のFOMC後の発表には色々と注目するポイントがあるわけですが、私が一番に注目しているところは、直前に開催されたFOMCが臨時回ではなく通常回だった久しぶりのFOMCでだったので、発表される声明文が「以前の言い回しへの回帰(レジューム) 」となるのかと言うところです。激しい値動きを与えるようなところではありませんが「今まで積み上げてきた文言の微細な変化による流れの変化が見えるように戻るのか」あるいは「今回の発表文が全く新たな変化の起点となってしまうのか」この違いは、FOMC発表文を直接見ている者としては気になるところです。私以外にも、ロイターやブルームバーグなんかで作文してる人も気になってると思います(笑)。

これ以外にも中銀の金融政策発表としては、日本の皆さんにおなじみなところは今週は無い感じですが、米ドルとペッグしている通貨の発券国や、通貨バスケットの構成で米ドルを主としている通貨の発券国などの金融政策発表が大量に控えております。米ドルとペッグしているわけではない個別国としては、毎度おなじみエキゾチックカントリーでは8日火曜日カザフスタン、11日木曜日ウクライナ,セルビア,モルドバ,ウガンダ,ペルー,ウズベキスタンなど、こちらもFOMC終了を待ってましたとばかりに続々と来週まで続きます。

 

次に、純粋な数字だけの指標です。

本日8日月曜日、月曜火曜は注目の指標が無いんですが、しいて言うなら午前8時50分に日本の国内総生産(GDP)確定値、午後3時にドイツの鉱工業生産くらいでしょうか。指標が弱い日には指標待ちが無いため発言で飛びやすいので、むしろ、発言などの報道での値動きに注意した方がいいかもしれません。システムトレードではそんなの注意しようも無いんですが、突発的な値動きに備えて「ストップロスは忘れずに」を確実にしておくしかありません。

明日9日火曜日、前日に引き続き指標日照り確定の日です(笑)。午後6時にユーロ圏の四半期圏内総生産(EU圏GDP)確定値の発表があります。よく、ネット上の指標発表サイトで「改定値」や「確定値」が正しく使われておらず混乱の原因になってる感じがするんですが、このEU圏GDPは「速報値 ⇨ 改定値 ⇨ 確定値」と全部で3回の発表があり、今回は3回目の「確定値」となってます。私がブログで指標結果を書く際には、2回発表のある指標の場合「速報値 ⇨ 確定値」とするように心がけてまして、なぜかと言えば、2回目の発表の時に「変更がなくても発表される=つまり数値の確定」と言う事で、ただの改定発表なら数値変更無かった場合に発表する必要すらなく、定期的に発表する日程が組まれている以上は数値の確定だと言う理由です。ただ、このEU圏GDPのように3回の発表がありますと、2回目の発表を改定値としないとバランスが悪くなるため仕方なく改定値としてます。なんのバランスかと言えば「速報値 ⇨ 改定値 ⇨ 確定値」と全部漢字3文字なのでバランスいいでしょ?(笑)。公式発表で強く Revision(ed) や Revise(d) と表記されている指標については例外的に改定値との表記をするつもりではおりますが、そこまで強く主張してる指標見たことありません。あと、ちょっと脱線なんですが、米雇用統計以外の同種の発表について、よく「失業率など雇用関連指標」と書いているんですが、あれも、アメリカは失業率などの雇用関連指標を取りまとめた正式な発表が「the Current Employment Statistics 現在の雇用統計」と言いまして、英語での省略形は CES 日本語での省略形としては雇用統計が適切であろうと昔から使われているため「雇用統計」としてますが、他の国での名称は Employment Statistics では無いので雇用統計ではありませんからそう書かないと言うだけです。最近、やけに「豪雇用統計」やら「英雇用統計」やら書いてあるところが多いので少々気になってます。

10日水曜日、どんなに数字が悪かろうが円にも株価にもなんら影響を与えない不思議な指標日本の機械受注が午前8時50分に発表になります(笑)。毎回毎回数字が悪いしか印象がない機械受注ですが、たまに突発的に2桁のプラス値が出たりしまして、それで帳尻を合わせる感じです。そう考えたら、指標自体のブレが大きいんですから集計方法に問題があるわけでして、よく英国の指標がやってる「過去3ヶ月の数値の変動」のような移動平均での集計にするとか、あるいはもうちょっと長期の変動で集計するとかにした方がいいように思えます。午後9時半にアメリカの5月度消費者物価指数(CPI)の発表があります。前回はCPIもコア指数も前月比でマイナスでしたが、今回はどちらも0%程度までは回復するような事前の市場予想が出揃ってまして、FRBでの金融政策には現時点で強い影響力がないであろうCPIですが、それでも重要な指標であることは間違いありません。経済状況が悪いときは、物価の伸びよりも物価の安定が重要であり、そう言う意味では予想通りの0%水準であれば悪い数字では無いかと思われます。

11日木曜日午後9時半にアメリカの生産者物価指数(PPI)が発表されます。毎度しつこいですが PPI は Producer Price Index でして、Producer = 生産者です。卸売物価指数は WPI = Wholesale Price Index でして、アメリカのPPIを公表する米労働統計局は「PPIとWPIは別物です。以前はWPIでしたが今はPPIです」とQ&Aで言ってるのに、「アメリカの卸売物価指数」とかずっと書いている指標発表サイトはアメリカの労働統計局にケンカ売ってとしか思えません。ほんと、毎回毎回しつこいんですけど(笑)。米労働統計局Q&A ⇨ Producer Price Index Frequently Asked Questions

雇用統計だとかPPIだとか言葉にうるさ過ぎるようにも思うかもしれませんが、金融やってて用語の齟齬での失敗は命取りなんです。だから、間違いやすい通貨ペアには「ケーブル(GBPUSD) 」や「ルーニー(USDCAD) 」のように長い歴史で通称が与えらたりもありますが「勝手に省略しない」「仲間うちだけで通じる省略形や別称は用いない」のが非常に重要でして、イザと言う時に出ちゃうんです。相手に通じる保証が無い言葉、相手に誤解を生じさせる可能性がある言葉、そう言った言葉は完全に排除しませんと危険で仕事ができません。また、そう言った言葉を使う人とは怖くて一緒に仕事ができません。

話しは指標に戻しまして12日金曜日、これまた数値がいくら大きくてもシリーズの日本の鉱工業生産(確定値)が午後1時半に(笑)。午後3時に英国の月次国内総生産や鉱工業生産指数,製造業生産指数,貿易収支などのフロー指標が集中発表されます。

なるべく英語やカタカナ語は使わないようにしているんですが、フロー指標は日本語でどのように言っていいのか皆目見当がつきませんでした。よく「経済は血液と同じで止めたらダメ」だと言われてますが、今回この新型コロナウイルスによる経済危機で実感した方も多かったのではないでしょうか。国内総生産や貿易収支などのフロー指標、つまり流れを表す指標が急激に落ち込むような数値に現れるほどの状況になりますと、肌で即感じるほどの危機的状況に陥りました。私も知識としては知っているつもりでしたが、実際にこのような状況になり経験するまでは、やはりどこか舐めていたようです。あまり次があって欲しくは無いんですが、もし次に同じような状況になってしまった時どうしたらいいのか、あるいは、同じような状況にならないように何ができるのか、今回の経験をどうにか活かせたらいいんですが。

って事で、午後3時に英国のフロー指標の集中発表があります。英国は今月末までにブリグジットについて6月末までに決める必要があるんですが、それが現時点では全く目処が立っておらず、恐らくは新型コロナウイルスによる影響を盾に期限延長をする事にはなると思うんですが、もしEUに否決された場合はハーディーなブリグジットが確定するわけで、英国の指標は「単独国家として再起できるのか」と言う「単独国家として存在できるのか」と言うものより高い判断基準で見られている事を忘れないようにしなくてはなりません。

この日、重要そうな指標は英国の集中発表で終わりでして、午後9時半のアメリカ指標ゴールデンタイムには輸出入物価指数なんて言う雑魚キャラ注目度が低い指標しかありません。最後、午後11時にミシガンさんところの指数速報値がありまして今週は終了です。 


 

今週は、雨模様になりそうな木曜日と土曜日を除いて30度前後の暑い日になりそうな東京です。自粛しろと言われずとも、冷房の入った自宅に引きこもりたくなるような暑い夏がやって来た感じですが、よく家にいて冷房を入れていると「電気代がかかって」とか言う声を聞きますが、電気代くらいで済むなら外出するより安く上がると思うんですけど、どうなんでしょう?

仮に電気代が月に3万円になったとしても、1日あたり1,000円です。1日外出して1,000円ってなかなか大変だと思うんです。家にいて好きなだけ冷房使い、外食より遥かに安く自炊できたら美味しいですし満足度も高く、やっぱり引きこもりは最高だった(笑)。

引きこもりを続けるにしろ先立つものが必要となるのは世の常ですので、今週も楽しい引きこもり生活のためにひと稼ぎできるよう、しっかり頑張ってまいりましょう。


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