FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2018/10/19 戦績

 2018/10/19 金曜日 戦績

USDJPY        +171,500円

EURUSD        +189,171円

GBPUSD        +223,241円

AUDUSD         +33,685円

USDCAD         +72,189円

EURJPY        +169,900円

GBPJPY        +480,400円

AUDJPY         +37,600円

CADJPY        +165,500円

EURGBP          +6,342円

TOTAL       +1,549,528円

 

週間戦績(当週)

TOTAL       +5,737,352円

 

月間戦績(10月)

TOTAL      +21,951,120円

 

年間戦績(2018年)

TOTAL     +296,846,494円

 

累計戦績(専業になってから)

TOTAL   +1,197,174,810円

 

随分と欧州は荒れてるようで、昨日は週末の休場を控えたポジション整理が入ったせいもあり若干戻したようですが、それでも一週間トータルで見た時の週足では、ユーロもポンドも対ドルでは陰線、対円では辛うじて陽線の体だけ保った感じです。

 

ニューヨーク時間が終わる直前くらいに格付け会社のムーディーズが 、国債発行体としてのイタリア信用格付けを一段階引き下げると発表しました。

www.bloomberg.co.jp

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特に市場は反応せずにおりましたが、短期売買が中心の外国為替市場で週末ニューヨーク金曜日の終了間際にこの程度でポジション持つリスクを冒せないと言うことが、一番の理由でしょう。週が明けてから、この話題が持ち出されるのかどうか、ここはよく見極める必要があるかとは思います。

 

日本で言うところのサブプライムショック、アメリカ本国では年度を付けずに単にフィナンシャルクライシスと言えば、今は2008年前後に発生した金融危機だと通じるのですが、その時にサブプライムショックの根本の原因を作り出したのは、不動産担保証券(MBS)や債務担保証券(CDO)に対して高い信用格付けを与えた格付会社と言われております。

表面的には、格付け会社へ虚偽の情報提供を行って高い信用格付を得たと言うことで、銀行側が責任を取らさせられる事になりましたが、結果としては格付け会社にとって最も重要である顧客、金融機関を敵に回すことになったわけです。

 

格付け会社の格付けには、非常に大きくわけて2つの格付け・レイティングがあります。まずひとつは、上に書いたように「格付けをお願いされて行う」もの。当然、各種資料が格付けをお願いした側から提供されるでしょうから、その資料はお願いした側にとって都合がいいものに書き換えられている可能性を考慮して、足りない資料や疑念は格付け会社が自ら調査する必要があります。それを怠ったのが、サブプライムショックの原因となったMBSやCDOに対する格付けです。ちなみに、MBSは上に書いた不動産担保証券ですので、毎日放送ではありません(笑)。

もうひとつは、「お願いしてないのに勝手に行う」もの。これは、各国政府の格付けや、政府系金融機関、各国での上場会社の格付けなどが主になります。当然、お願いもされてないのに勝手に格付けするわけですから、各種資料は格付け会社が自ら調査したものが基礎になり、どうしても入手できない資料や疑念はお願いして調査させてもらったり開示してもらう必要が生じます。ところが、格付け会社が信用格付を発表する前に内部資料や疑念に関する問い合わせがあったと言う話しはほとんど聞きません。よく、日本国政府が日本国の信用格付に対して遺憾砲を発射しておりますが、言いたくなるのも分からなくもありません。

 

格付け会社のやってる事をモデルにしたビジネスに、食べログがあります。これ、評価して欲しい飲食店はお金を払って有料で評価を受けられますが、全くそんな事をして欲しいと思わない飲食店も勝手に評価されます。利用している側は、ある程度のネットリテラシーがある方ですとその点を区別して考える事もされるでしょうが、多くの方は有料で評価をしてもらってる飲食店も、勝手に評価されている飲食店も、同列で見てしまうでしょう。

同じように、格付け会社の発表する国債発行体としての国家の信用格付、上場会社の格付け、これらも、お願いして格付けしてもらった国などの組織や会社(エンティティ)、勝手に格付けされたエンティティ、ごっちゃにして見ている事が多いのではないでしょうか。

 

格付け会社が、最大の顧客である金融機関を敵に回してしまってから、なかなか格付け会社の意向が市場に反映されない状況が多くなっているように思えます。格付けって生物ですから、その場で反応しませんと時間経過で発表した内容とのズレが生じ、次の発表直前まで内容が担保できるようなものじゃないんです。しかも、勝手に格付けしているエンティティの場合、格付け会社が持ってない資料に重要な事が隠されており、意図しない方向に事実や業績が動く事も多く、さらに格付け会社自体が信用されなくなる原因にもなってきます。

格付け会社が信用格付発表

市場が無視

格付け会社の意図した方向と逆の結果・業績

格付け会社の信用が毀損

この負の連鎖を断ち切るためには、市場が無視しないレベルのセンセーショナルな発表を行う必要が出てきている。そんな時に今回のイタリアの信用格付も発表されている、その辺りまで考えて「ユーロ売るのか、イタリア株売るのか」あるいは真逆に動くのか。慎重に行動した方がいいのかなと思います。

 

ちなみに、私も「格付け会社は不要」とは思っておりません。ただ、いまの格付け会社のビジネスモデルですと、中立・公平と言うのは不可能に近いので、国家からも企業からも独立した新しい形態の立場と言うものが必要なのかもしれません。国連ですらその立場怪しい現状で、いかにしてそんな中立的な立場を作るのかは、私にも全く見当つきませんが。


 

昨日、指標も比較的重要そうなのがあったのですが、まず日本の消費者物価指数と言う非常に重要な指標は軽くスルーで、ここまで来ると日本の指標をスルーするのは、一種の芸のような気にもなってきます。 

日本国9月
0830JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
全国消費者物価指数
(前比)
+1.3% +1.3% +1.2%
全国消費者物価指数コア
(前比)
+0.9% +1.0% +1.0%
全国消費者物価指数コアコア
(前比)
+0.4% +0.4% +0.4%

よく、物価上昇は2%が正しい的な事が言われますが、私が40年ちょっと生きてきて思ってるところですと、物価上昇は1%程度が本来は妥当なのかなって。年齢はあまり関係ないのですが(笑)。

大学では経済学部でしたが経済学を学んだと言う点ではそこが最終学歴で、しかも大学の学部レベルの経済学なんて言うのは、数学を学ぶ前に小学生が算数をお勉強するのと同じようなものですが、それでも一応私が大学で学んだ経済学を集大成させますと、物価上昇は1%程度がいいように思えます。

なぜ、各国中銀は物価上昇2%を目安にしているのかと言えば、簡単に言えば「自分たちが金融政策をやりやすくするため」でして、それは日銀の黒田総裁もハッキリと認めております。

【講演】黒田総裁「なぜ『2%』の物価上昇を目指すのか」(日本商工会議所) : 日本銀行 Bank of Japan

(3)金利引き下げ余地の確保 —いわゆる「のりしろ」—

次に、プラスの物価上昇率を維持することで、金利引き下げ余地を確保し、景気悪化への金融政策の対応力を高めるという、「のりしろ」と呼ばれる考え方についてお話しします。

ごく単純化していうと、景気に対して中立的な金利水準は、経済が持つ潜在的な成長力と、平均的な物価上昇率の合計によって決まります。例えば、潜在成長率が1%、物価上昇率が2%であれば、景気に中立的な金利水準は3%となります。この場合、景気悪化に対して、金利引き下げにより景気を刺激する余地がそれだけあるということになります。しかし、潜在成長率が1%でも、物価上昇率がゼロ%であれば、中立的な金利水準は1%なので、1%しか金利の引き下げ余地がありません。

ですので、経済的に見たら物価上昇が2%ある必要性が絶対必要と言うのでは無いんです。そう見たら、名目賃金があまり上がらない日本の現状では、物価上昇がこの程度と言うのは物価上昇を勘案した実質賃金的に見ても、いい水準なのではないかなって思うんですが。どうでしょう?

現状では、物価上昇2%と言う言葉が独り歩きし、日銀の黒田総裁さらには政権与党を攻撃するための材料としてしか使われていないようにも思えてきます。 

 

そして、昨日ニュースで話題でした中国のGDPですが、ここ数年来の +6.5%と言う低水準になったと(笑)。まず中国の場合、指標の数字自体の信憑性が問題になると思うんですが、これは正直言って各種調整が入った数字であろう事は容易に想像ができます。ただしGDPとか貿易収支とかは、簡単に数字をイジってしまいますと、他の指標とのバランスが取れなくなってくるので、やるなら徹底的に基礎数値からイジる必要が出来てきます。中国くらい各種指標を発表してしまっておりますと、そこまでやりきれるモノではありません。せいぜい、期間を誤魔化してくるくらいでしょうか。

中国第3四半期(7-9月)
1100JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
国内総生産(GDP)
(前同期比)
+6.7% +6.6% +6.5%
中国第3四半期(7-9月)
1100JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
国内総生産(GDP)
季節調整済(前比)
+1.8% +1.6% +1.6%
中国2018年(1-9月)
1100JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
国内総生産(GDP)
(前同期間比/YTD)
+6.8% +6.7% +6.7%

昨日発表になりました中国のGDP、他の国と違うところで前年同期間比/YTDと言うものが存在します。他の国でも全く無いわけでは無く、旧暦で大型連休が一気に変動する国や地域の場合に重要になってくるものでして、季節調整では間に合わないようなズレまで全て吸収するために、年始(あるいは年度始まり)からの累計を全て計算する方式です。そうすることで、旧暦での大型連休などの影響を、長い期間をかけて吸収してしまおうと言う集計方法です。

今回のGDP、第3四半期だけで見ますと確かに+6.5%の伸びになっておりますが、2018年1月から9月までの累計で見ますと +6.7%水準をキープしております。この数字が正しいのかどうかは別にしまして、報道でセンセーショナルに出ている内容を鵜呑みにするのか、冷静にそれ以外の数字も含めて確認し己(おのれ)の判断を信用するのか。投資ではその部分が非常に重要になってくるかと思います。

 

中国の指標は他にもありましたが、色々と言っても、さすが中国という感じの数字が並んでおります。話し合うところは話し合い、指摘するところは指摘し、妥協するところは妥協した上で信念を持って曲げられない部分は曲げない。そう言う姿勢が、中国に対してだけでは無くどの国との関係でも重要なのかなって。

中国第3四半期(7-9月)
1100JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
小売売上高
(前同期比)
+9.0% +9.0% +9.2%
中国2018年(1-9月)
1100JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
小売売上高
(前同期間比/YTD)
+9.3% +9.3% +9.3%
中国第3四半期(7-9月)
1100JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
鉱工業生産
(前同期比)
+6.1% +6.0% +5.8%
中国2018年(1-9月)
1100JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
鉱工業生産
(前同期間比/YTD)
+6.5% +6.4% +6.4%

 

あとは、欧州の指標と北米の指標がちょろちょろっとあって、昨日は終了となる予定だったんですが・・・・・・

ユーロ圏8月
1700JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
経常収支・季節調整 +195億ユーロ
+213億ユーロ
+214億ユーロ +239億ユーロ
経常収支・季節調整 +300億ユーロ
+319億ユーロ
+205億ユーロ
英国8月
1730JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
公共部門純必要額 +31.20億ポンド +158.46億ポンド  
公共部門純借入額 +47.50億ポンド +46.00億ポンド +32.59億ポンド
公共部門純借入額
(金融部門除く)
+56.00億ポンド +56.00億ポンド +41.23億ポンド

 

またしても、カナディア~ン(笑)。 

カナダ9月
2130JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
消費者物価指数(前比)  -0.1%  -0.1%  -0.4%
消費者物価指数(前比) +2.8% +2.7% +2.2%
消費者物価指数コア(前比) +0.1% +0.1%   0.0%
消費者物価指数コア(前比) +1.7% +1.8% +1.5%
カナダ8月
2130JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
小売売上高(前比) +0.2%
+0.3%
+0.3%  -0.1%
小売売上高コア(前比) +0.8%
+0.9%
+0.2%  -0.4%

ここまで激しく動くような数字が出るとは思っておりませんでした。どっちにしても、トレードシステムは止めるつもりが無かったので、思ってたとしても結果は一緒だったと思うのですが、ドル円の動きに連動して判断されていた加ドル円(CADJPY)に関しては、加ドル一気売りの恩恵を得られたのですが、単独で判断されていた米ドル加ドル(USDCAD)に関しては、ここで一気に利益を削られる結果に。まあ、これもよくある事ですし、対米ドル対円の2つの通貨ペアで取引していたリスク回避だったと思うしかありません。

あと、最後におまけ程度にアメリカさんの中古住宅関連指標。 

米国9月
2300JST
前回値 市場予想
(中心値)
結果
中古住宅販売件数(年換算) 533万件
534万件
530万件 515万件
中古住宅販売件数(前比)  -0.2%
  0.0%
-0.7% -3.4%

 


 

そんな感じで、書くことが多くなりすぎまして朝のうちに仕上がらず、もう土曜日ですし追記とかするなら遅らせて公開した方がいいかなって事に、脳内会議の結果そうなりました。

今日の東京は気温も下がり、秋らしい感じになってきまして、そろそろ「暑い、暑い」と言わないとならない季節とは来年までおさらばのようです。 


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