FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2018/01/07 日曜日

昨日、香港から帰国しました。

搭乗した飛行機が若干ディレイすると言うアクシデントもありましたが、混み合ってる時期ですので仕方ありません。とは言っても、私たちが乗ってる飛行機だけってのが、なんとも。見えざる意思、見えざる手に選ばれたと言う事で(笑)。


 

「見えざる手」と言えば、かの有名な英国人で、スコットランドの誇る哲学者そして経済学者であるアダムスミスが著書「国富論」の中で「  led by an invisible hand  = 見えざる手によって導かれ」と登場する事で有名です。あまりにも有名なため「見えざる手」ばかりが独り歩きしている体もあるのですが、よく大学の経済学部で指導教官が言うような、

「高度に発達した自由経済では、需給関係の自然なバランスによって価格が決定し、適度な価格へ収斂(しゅうれん)する様が、まるで見えざる手に導かれるように見える」

と言うのが、アダムスミスが富国論で言いたい「見えざる手」と言う事では無く

「 投資家がリスクとリターンを適度にコントロールしながら運用を行うと、まるで見えざる手によって導かれるように経済全体の成長を促すことにつながる。ただ、それが正しい事か間違ってる事かは誰も分からないし、誰も責任も負わない」

と言う、実はかなり適当な事なんです。

つまり、文章にこそ直接的な表現はしておりませんが、キリスト教による終末論での 「 invisible hand of God = 神の見えざる手」になぞりアダムスミスがこの言葉を使い「見えざる手 = 神が導いているように見えるけど、正しいのか間違ってるのかなんてことは、結果が出てみねえと分からねえなあ(笑)。」って事です。

そもそもアダムスミスは、経済学者である以前に哲学者ですので、哲学者ってさも分かったような言葉で納得させ、実は本質的には何ら解説してないなんてのが得意中の得意ですから、まさにその類(たぐい)です(笑)。

 

これ、現在のビットコインの状況に置き換えますと、

「ビットコインを売買している人たちは、たった今の上昇トレンドを収益機会と捉えて大勢の人たちが買っているため、まるで上昇トレンドが正解のように価格がつり上がっている。だけど、それが正しいのか間違ってるのか、そんなの今は誰も分からないから、もうちょっとしてみて判断するしか無い。もし間違ってて大暴落しても、誰も責任取れないけどね」

そう言う事です。

 

もしこれが、大学の経済学部の指導教官が言うような、価格は市場によって収斂すると言う事ですと、現在のビットコインの価格暴騰も正しいと言う事になり、そもそもバブル経済なんてものは存在しないと言う大風呂敷にまでなるわけです。

純粋な経済学者、大学で経済学を教えるような指導教官もそうでしょうし、もっと言ってみたらノーベル経済学賞を取るような凄い経済学者が言うような「価格は収斂する」と言う考えが正しいのか。それとも、哲学者色の方が濃い今から300年以上も前のアダムスミスが言う「市場は間違える」と言う考えが正しいのか、私にも、いや、私なんかには正解なんて分かるわけがありません。

ただ、たった一つのファンドの崩壊でドル円を十数円ぶっ飛ばし、世界中を不況に叩き込んだ LTCM = ロングタームキャピタルマネジメントの失敗は、ノーベル経済学賞受賞者の博士たちが束になって考えた理論を凌駕し「価格収斂が発生せずにロシアがデフォルトした事」が引き金になったのも事実です。

 

もし、ビットコインの価格高騰がこのまま継続し、バブル崩壊が如くの下落が発生しなかったとしたら、ビットコインの価格下落に警鐘を鳴らす経済学者が大敗し、300年前の哲学者アダムスミスが言った「見えざる手」と言うものの本質に一歩また近づいたと言う事になるのかもしれません。 

 

飛行機がディレイして「見えざる手に導かれ」なんてのは、これまた強引に展開しただけです(笑)。年末年始のお休みで香港の実家に行き、うちの父と久し振りに「たった今の株価や為替の価格推移」では無く、経済学の概念のような、根本のような、そんな事を話しておりましたら、父も私も、このアダムスミスに戻ったわけです。

親子だから同じような考えになるのか、あるいは、経済学の実社会で生きてきたから同じような考えになるのか、また、あるいは、私も父もそしてアダムスミスまで含めて英国人だから同じような考えになるのか。

もう少し時間が経過したら、その結果だけは突きつけられる事になるでしょう。 


 

昨日、年末年始の帰省からようやく帰ってまいりまして、本日は朝から久しぶりの教会へ行ってまいりました。いやあ、帰ってきて迎えてもらえる場所があると言うのは、やっぱりいいですねえ。牧師さんもニコニコと、ああ献金ねえ(笑)。

先週末、今年初の米雇用統計があったり、CFTCのIMMポジションも発表されております。明日からまた、今年の仕事を再開いたしますが、今日まではまだお休みと言う事で、仕事に関しては頭の片隅に追いやっておきたいと思っております。 


【おなじみさん限定】つづきは ⇨ こちら