FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2016/11/21 月曜日

本日は11月21日です。あと本当に1ヶ月で、欧米はクリスマス休暇に入る週がやって来ます。今年の外国為替市場での主な取引は残り1ヶ月、あと4週間しかありません。今年も終わりが近づいて来ました。日本でも12月の事を「師走」と言うくらい、昔から慌ただしい時期ですが、欧米のそれは日本など比較にもなりません、特にアメリカ(汗)。

 

今週の木曜日、24日は感謝祭の祝日でニューヨークは証券取引所もお休みになります。そして、よの翌日が例の有名な「ブラックフライデーセール」の日となっておりまして、 数ある「ブラック◯◯」と言う言葉の中で、ブラックがポジティブな意味で使われている数少ない言葉です。このブラックフライデーセール、日本のお正月の初売りなんて規模では無く、有名どころのハイエンドアパレルショップまで半額以上は当たり前で、8割引とか9割引の商品まで用意しており、開店時間は通常より早くと言うよりも早朝の3時とか4時、中には深夜0時日付が変わった瞬間にオープンするお店もあったり、近年では「ブラックフライデーイブ」とか日本人のような発想で、前日の夜からセールを開始して夜通しオープンしていたりします。

なぜここまで1日のセールに売る側が命を懸けるのかと言いますと、ここで消費者の心象と言いますか、支持を得たお店が年末商戦を勝ち抜く事になるからなんです。アメリカの年末商戦がどんなものなのかと言いますと、ブラックフライデーからの1ヶ月間で、年間売上の半分を売るんです。さながら、学校制服指定店の新年度前のような感じです(笑)。もし、ブラックフライデーで「この店はダメだ」と判断されますと、この大切な1ヶ月間で売上が取れず、下手すると倒産と言う自体にもなりかねませんから、そりゃ真剣です。

ですから、このブラックフライデーのブラックの意味は「小売店が儲かって、帳簿が黒くなる」と言うところから付いたと言われてまして、数少ないブラックがポジティブな意味で使われている言葉です。黒字・赤字と言うのは日本に西洋式簿記の概念が輸入された時 *1に一緒に入ってきたそうでして、ですので日本でも同じく、利益が出ていると帳簿上は黒、逆だと赤なのはそのためです。

日本も12月が忙しいとか言われますが、日本で小売店が12月に年間の半分を売り上げるなんて事は聞いた事が無いですよね?ですので、アメリカの実質12月として機能するブラックフライデーからクリスマスまでの1ヶ月間は、小売店も忙しく、小売店に納品する業者も、運送業者も、何もかも誰も彼も日本の比にならない過酷な1ヶ月間となります。そしてそれが終わると、みんながクリスマスを祝うために家族で過ごし、今度は営業しているお店を探すのに苦労するほどになります。

 

欧米の企業の決算は多くの企業で1月から12月末までの1年間です。金融関係も例外は少なく、やはり12月が決算期となる企業が多いです。1年間の業績で、評価や昇給が当然変わりますし、予定していた運用益に到達していないマネジャーは自分のクビも掛かっております。予定していた運用益に到達しているマネジャーも、さらに上積みする事で評価やボーナスを目論見みます。

特に今回の12月にはFRBがFOMCにて利上げ決定するのでは無いかと言う期待もあり、それに対する次期大統領候補のトランプ氏(現在でもまだ候補です)がどのような発言をするのかによっても、一喜一憂する展開が予想されております。ボラが高くなる事は、資金運用するマネジャーにとって収益機会ですので、今年の12月は熱い戦いが待っているのでは無いかと思っております。

 


 

今週、指標は微妙な感じの物が多く、今日は早速ですが日本の貿易収支が発表になりまして、今回は数値次第では円売りが入る恐れがありましたので、ちょっとだけ注目しておきましたが、数値的には前回値とほぼ同じ感じで若干の円買いが入りましたが、大した事はありませんでした(笑)。あと、明日の日本時間で22日火曜日午後6時半に英国の財政収支の発表がありまして、これもいつもはあまり意識されない指標ですが、ブレグジットリスクの関係でポンドがナイーブな展開をしておりますので、注意しておくのに越したことはありません。 

注目指標は、日本時間で水曜日深夜0時に発表のある米中古住宅販売件数と同じく木曜日深夜0時に発表のある米新築住宅販売件数のアメリカの住宅関連指標の2つ、水曜日午後10時半に発表のある米耐久財受注でしょうか。その他の欧州の指標などは、よほど良い数字が出ない限り、ユーロ売りが入る指標スイッチとしてしか機能しないかと思っております。

最大のイベントとしては、日本時間で木曜日の早朝4時に公表されます今月頭に行われましたFOMC議事録の公開でして、ここで詳細な内容を把握する事によって、いま市場で織り込まれている12月の利上げがどのくらいの確率なのか、修正される事になります。相場のボラアップとしては、ネガティブな内容で悲観的になっておき、実際には12月のFOMCにて利上げしましたと言う2段ロケットがいいのですが、そうそう上手く行くとは思っておりません(笑)。

 


 

そうそう、23日水曜日は勤労感謝の日で日本はお休みですので、今週は2日働いてお休み、2日働いてお休みと言う、会社勤めの方には嬉しい週ですね。まあ、中には効率が悪くて嫌と言う真面目な方もおられるかとは思いますが(笑)。

 

さて、為替取引をしている以上、否が応でもアメリカさんを意識しておかなければなりません。ここ最近は、世界的な流れを考えて置かなければ、株の取引も難しいグローバル化が究極に進んでおります。 金融の事だけでなく、アメリカの消費者意識まで考えて取引が出来れば、より効果的に収益の女神が微笑んでくれるのかなとも思います。

そんな事も考えながら、今週も一週間頑張ってまいりましょう。

 


*1:日本に西洋式簿記を輸入して広めたのは福沢諭吉先生です。