2016/11/11 戦績
"夏草や兵どもが夢のあと " 松尾芭蕉の紀行文 "おくのほそ道" に収録されている有名な句です。今週一週間の外国為替市場は、現代に松尾芭蕉が生きていたら、後に同じように歌われたような気がする、そんな激動の一週間でした。
2016/11/12 18:57 追記ブロ友さんの "スイス鉄道のように" さんからコメントで、今回の大統領選における金融市場の騒動を、おくのほそ道で例えるのであれば「こちらの歌の方がいいのでは?」とご紹介頂きました。
"五月雨を あつめて早し 最上川 "
これは、非常に "美しい" と思います。激流を歌った歌であるのに、繊細さを感じて美しさを感じます。しかも、私が出しました「兵どもが夢の跡」の歌ですと、松尾芭蕉自身は栄華の様を見ていないので、今回の騒動に当てはめようとすると "やや物足りなさ" があるのですが、こちらの歌ですと、激流を見て感じて歌った様が、今回の騒動の激動とピッタリマッチします。
いやあ、久々に素晴らしい教えを頂いた気がします。知ってるだけと、それが役に立つのは別と言う事を、改めて認識した感じです。それにしても、美しい歌ですね。
月曜日 2016/11/07「ボラが大きかった」とか言って、大はしゃぎしておりました。
火曜日 2016/11/08 日本時間の夜から大統領選挙の投票が始まりました。
水曜日 2016/11/09 まずトランプ候補の優勢が伝えられ遂には当確。酷い値動きの1日でした。
木曜日 2016/11/10 市場は前日までの流れを汲み、トランプ大統領に期待感が高まりました。
金曜日 2016/11/11 どうにか市場自身が落ち着きを取り戻し、あるべきレンジに収束した感じでした。
市場は魔物ですからね。今回は事前にクリントン候補の優勢が伝えられ、ドル高期待と織り込み済み報道から随分とドルを買っていた個人投資家が、11月9日水曜日の極端な値動きで随分とロスカットを喰らい、中には急激な値動きの局面で証拠金を超える損失が出たために追証となった投資家も随分と居たような報道もございました。
私も、随分と長くこの業界に身自体は置いており、大きく動いた局面では必ず個人投資家の巨額ロスカットや追証などを耳にします。何度も私、このブログでも申し上げているのですが、外国為替証拠金取引=所謂(いわゆる) FX ですが、これは投資では無くギャンブルです。ギャンブルは言い過ぎにしても、少なくても投資では無く投機です。大切な資産を投じるべき商品ではありません。よく言われる余剰資金で遊ぶマネーゲームです。
日本では、FXのレバレッジが個人の場合は25倍までに制限されております。以前は日本国内の一般的な業者でも100倍、中には200倍、400倍なんて業者もございました。以前の倍率と比べますと確かに低い倍率なんですが、この25倍のレバレッジとは「100万円の証拠金で2,500万円の借金をさせてもらえる」と言うものでして、よく認識されております「100万円の証拠金で2,500万円分の取引をさせてもらえる」わけではございません。あくまでも、100万円の証拠金で最大で2,500万円の借金をさせてもらい、そのお金で日本円や外国通貨を買ったり売ったりしているわけです。借金だと聞いたら、取引しない人もいるのではないでしょうか?
この25倍のレバレッジ、あの世紀の大倒産劇を見せてくれました LTCM が掛けていたレバレッジと同じです。この倍率、ノーベル経済学賞を受賞したような経済学者や、最先端の金融工学を駆使する博士号を持つ多くの数学者や経済学者が束になって運用したファンドですら、世界経済を崩壊に巻き込みながら崩壊・倒産するほど大きなレバレッジなんです。
まあ、小額資本をあえて超高レバレッジで運用させると言う手法も無いわけではありませんが、本当に自己責任となってしまいますので、リスクとリターンをよくお考えの上で、もしリスクがよく分からない場合には取引業者に納得が出来るまで聞く、又は協会や金融庁の相談窓口等に聞くのでもいいでしょう。わかりやすい入門書も多く売っておりまして、中にはきちんとリスクを説明してある物もございます。
金融庁や金融当局には、このFXと言うマネーゲームを提供するブローカーに対して、証拠金の範囲内でのロスカットを徹底させ、せめて追証を発生させない法規制をして頂きたいと、いつも思っております。いや、カバー取引ができないからとか言う理由も、一般の方よりも十分過ぎるくらい理解出来てます。それでも、カバー取引せずに相対取引で普段利益を上げる事が出来るのがブローカーなんですから、そこはリスクを取らせてもいいと思っております。
別に、知り合いが追証になったとか、親の仇とかそう言う事ではございませんが、知識の乏しいそして情報の入手にハンデがどうしてもある個人の方への営業を許可している以上、そこまで個人投資家の保護を行いませんと、外国為替市場と言う場の健全な発展も危ぶまれる事態が来るとまで思います。 「そんな事できねえよ」とブローカーの中の人が言うのであれば「嫌なら事業辞めれば?」と言うだけですんで(笑)。
市場が大混乱の中そこに乗じたわけではございませんが、結果として大きく利益を出した元業界関係者として、この機会にお話ししておこうと思いまして、書かせて頂きました。
あの市場大混乱の中、それでも木曜日には少し落ち着きを取り戻した感じもありまして、徹夜ふらふらの取引をしておりますと、無性に甘いものが食べたくなります。そこで、いつもブログに登場します家政婦さんのお子さんに「おつかい」をお願いしました。
「おつかい、お願いできるかな?」最初そのように聞きましたら、この日はちょっと嫌そうな感じでして「いまです、かぁ~~~?」とか言って、私たちと一緒におりました秘書の子の方をチラッと見て「秘書さんじゃダメなの?」って目で訴えておりました(笑)。そんな状況を一変させる魔法を掛けます(笑)。
「これで買えるだけ、全部アイス買ってきて」
そう言いながら、差し出したのは、
1万円=1福沢諭吉先生(笑)。
さっきの面倒くさそうな顔はどこへ行ったのやら? 目を輝かせ、1万円札を奪うようにしてお使いに行ってくれました(笑)。
予想外の事が起こると楽しいですよね。特に子供は、こう言う自分の世界の中では考えられない事が起こると非常にワクワクしてくれまして、見てるこちらも楽しいです。例え1万円分のアイスが自分の物にならなくても、1万円分のアイスを買うと言う非日常が楽しめますから。
このご時世ですので、1人でおつかいに行かせて何かあるといけませんから、少し離れたところで秘書の子が付いて行っており、子供のワクワク感のためには割りと経費が必要です(笑)。まあ、それでも楽しんでくれれば。
ちなみに、何ヶ所もスーパーやコンビニを回り、付いていった秘書の子の方が疲れて帰ってきた感じでして、1万円分のアイスを買いに行き、戻ってきたお釣りは僅か13円、レシートの金額合計は1万円との差額ピッタリの9,987円でした。
何か、この子のアイスに対する執念を感じます(汗)。