FX専業 フォレックスマーケット日々の市況

FXシステムトレードでの戦績(成績)の公表や、為替・金融市場での出来事を紹介したり講評したり。⇦ でしたが、指標や市況をお伝えする感じに変更となりました。

2019/09/02 月曜日

昨日、月が変わり9月に入りました。アジア地域に遅れる事約半日、日本時間でお昼過ぎ午後1時にはアメリカも東海岸から日付が変わり9月に入りますと、予定されていた通り対中関税の第4弾が発動しまして、

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アメリカの関税発動を確認し、即時に中国も対抗措置として報復関税を発動いたしました。ここまでの関税泥仕合いになるとは、当初は予想していなかったのではないでしょうか。

これ、本当にただ通商協議が暗礁に乗り上げた結果としての関税合戦なんでしょうかね?実は関税を掛け合う事で、どこかでトランプ大統領と習近平主席にメリットがあるよう事前協議の上で仕組まれている、俗に言うプロレスなんじゃないかと最近ちょっと勘ぐってきました(笑)。

 

この関税合戦の流れを受け、本日早朝から始まりましたオセアニア時間ではリスクオフの円買い、対中貿易が多く何かと中国の動向に影響を受ける豪ドルやNZドルなどは売りが入り、前週末終了時点との乖離スタート、いわゆる窓開けスタートとなっておりました。

以前、どこかの国が日本海に向けて自称ロケットをバンバン打ち上げていたころ、打てば円高になる法則を発見してしまい、市場の皆さんの間では「これ、ミサイル自称ロケット打っても円相場が反応しなくなったら打たなくなるんじゃねえの?」と冗談で言っておりましたところ、そのうち慣れからなのか円相場が反応しなくなり、そしたら本当にミサイル自称ロケットの打ち上げがピタっと止みました(笑)。

アメリカや中国ほどの大国でしたら、まさかドル円相場でそんな事を考える事は無いとは思うのですが、上に書いた「俗に言うプロレス」と言う事から、プロレスやってどんなメリットがあるのか考えたらコレ思い出したわけです。ああ、今回もまたロケットの国は、ドル円相場で一儲けはやってると思いますけど。


 

さて今週ですが、インパクトのある注目ポイントとしたら米雇用統計があるんですが、最近は雇用統計の発表では為替相場が動く気配すら感じない事も多くなってます。指標以外に目を向けますと、豪州中銀RBAとカナダ中銀の金融政策発表もあり、両方とも資源国通貨の発券銀行と言う事もあり、むしろこちらの方が今週の注目ポイントでは無いかと思ってます。

 

まず純粋な数字の発表以外の金融イベントからです。日本時間(以下全ての発表時間は日本時間)で9月3日火曜日午後1時半に、豪州中銀RBAが今後の金融政策と政策金利の発表を行います。なお政策金利については、現状の1.00%を維持すると大方の市場関係者が予想しております。

4日水曜日午後11時には、カナダ中銀のカナダ銀行が今後の金融政策の発表を行います。こちらも政策金利については、現状の1.75%維持の予想が大半なんですが、25bp(ベーシスポイント)の引き下げ予想もチラチラと見受けられ、実は私も0.25%引き下げ来るんじゃないかな~、と、いつもの当たったらラッキー大胆予想だったりもします(笑)。いや、カナダの場合、アメリカとの貿易と言うか、対米依存度があらゆる面で大きいので、対米ドルでの加ドル相場と言うのは非常に重要です。最近、トランプ大統領が露骨に(米)ドル高懸念を口にしており、このまま先手を打たれますと加ドルに関しても不利になる可能性もあり、現状でならカナダ銀行が「景気底入れのため」を理由に利下げしてもトランプ大統領からは「カナダも利下げをした!FRBは何をしてる」と言う程度で終わらせられるでしょう。相手国との金利差は、そのまま為替レートに反映する事が多いですが、現時点でしたらまだ為替のために利下げを行った事を隠す事が容易です。

5日木曜日早朝3時に、米地区連銀経済報告いわゆるベージュブックが公開されます。毎度毎度の事なんですが、このベージュブックをたたき台にして次回のFOMCでの会合を行います。今回の注目点「どれだけ、利下げに正当性を与える内容があるのか」(笑)。今までは「熟練労働者不足」を前面にし、雇用の高まりから経済の好循環をアピールしていたわけですが、簡単にこれを無しにする事もできず、インフレに関して先行き不透明感を出すとFRBにとって揚げ足をとられかねません。貿易関係への先行き懸念、個人消費の低迷、サーベイ(アンケート)調査の先行指数悪化などを根拠にするしか無いのかなとも思います。

7日土曜日早朝1時半からFRBのパウエル議長が、スイス国立銀行(中銀)トーマスジョーダン総裁と「経済見通しと金融政策(Economic Outlook and Monetary Policy) 」と言う内容で討論会を行います。内容的にも、そして討論を行う人物的にも、非常に重要な討論会となるかと思われます。スイス中銀と言えば為替介入はイケイケドンドンの姿勢で、今回語られる事は無いかとは思うのですが、やはりトランプ大統領が最近は口癖のようにしているドル安についてどのように考えているのか非常に興味もあります。もっとも、その為替介入で一回負けてスイスフランショックを起こしたりもしてるんですけど(笑)。

www.snb.ch

当日は ⇧このスイス中銀のページでライブストリーミング配信すると言うので、チェックしたいと思います。FRBのサイトから飛ばされたんで合ってるとは思うんですが、なんかパット見はアーカイブ置き場っぽいんで本当は違うかもしれませんので、当日要確認です。

これ以外にも中銀の金融政策発表としては、日本の皆さんにおなじみなところでは、5日木曜日にスウェーデン、6日金曜日にロシアくらいでしょうか。ロシアは地理的にはおなじみでしょうが、ルーブルを取引している方と言うのはかなりレアかとは思います(笑)。あと毎度おなじみエキゾチックカントリーでは、3日火曜日チリ共和国、4日水曜日ジョージア(グルジア)、5日木曜日にウクライナと、今週はかなり少ない感じです。

 

直接、金融政策とは関係しない政治絡みのイベントとしては、4日からロシアのウラジオストクにおきまして東方経済フォーラムが開催されまして安倍首相が出席、滞在中にロシアのプーチン大統領との会談が予定されております。ぶっちゃけ、ロシアからの「極東へ投資してして会談」です。ただ、多くの民間企業の方たちも参加されているわけで、民間企業としたら儲かれば投資すると言うだけでしょうから、この儲かる事を見つけて日本国としてバックアップし、官民一体となった投資をプーチン大統領に直接印象付ける事ができる貴重な機会です。日露関係は、極東地域でのパワーバランスにも影響をしてくるので、事前にトランプ大統領ともよく話し合っているでしょうから、もしかしたら為替に影響が出てくるような事もあるかもしれません。

あとは、政治絡み的には大した事が無い週ですが、こう言う時ほどトランプ大統領のツイートに注意しておきませんと、突然何かに噛みつき出したりしますんで。なにしろ中国の習近平主席なんて、前日までマブダチくらいに書かれていて翌日にはケンモホロロなんてのは日常茶飯事で、国家がどうのとか米中間での問題とか抜きにしたら、習近平主席がかなり不憫でなりません。

 

次に、純粋な数字だけの指標です。まず本日9月2日月曜日アメリカとカナダがレイバーデー(労働者の日)で祝日となります。と言う事で、特に重要な指標もない日となってまして、東京時間から欧州時間にかけても動きが悪いかもしれません。一応、製造業購買担当者景気指数(PMI)確定値の集中発表日になってますが、確定値ですから極端に大きなズレでも無い限りこちらも影響は無さそうです。

明日3日火曜日、お昼過ぎの午後1時半に豪州中銀RBAが金融政策発表お遊戯会を行い、欧州時間も目立った指標はありません。午後11時にアメリカのISM製造業景況指数の発表くらいが重要な指標となりそうです。

4日水曜日午前10時半にオーストラリアの四半期国内総生産(GDP)が発表予定です。前日にRBAが今後の金融政策を発表しておりますので、その内容との整合性が取れないような数字にでもなっておりますと急落する可能性もあります。ええ、豪ドル急上昇の可能性は考えておりません(笑)。仮に、金融政策との整合性が取れないほどGDPの数字が良くても、現状で豪ドルうなぎ登りは無いでしょう。⇦ そんな事を言っていると豪ドル急上昇したりするので、その場合にはこの部分は後日削除となります(笑)。また、この日は午後11時にカナダ中銀の金融政策発表、サービス業・複合購買担当者景気指数確定値の集中発表日になっております。 

5日木曜日午後9時15分にADP社雇用レポート午後11時にISM非製造業景況指数の発表があります。ADP社の数字については、最近何度も何度も書いているのですが、雇用統計がブレまくっている現状で、ADP社の雇用レポートが先行指標にならなくなってきております。あまりにも極端な数字でも出ない限りは大きく市場が反応する事も無いかと思ってます。

そして今週最後6日金曜日午後9時半に米雇用統計、そしてカナダの雇用関連指標が同時に発表になりまして今週は終了です。


 

9月に入りまして、3月決算の企業としては下期突入です。また、夏休みが明けて二学期が始まる学校も多いかと思います。欧米と言われる国でも9月から新学期、特に学年が上がるところも多くあり、日本の4月以上に新しいスタートと言う気持ちになる事が多い9月です。

大昔に味わったそんな気持ちを思い出しながら、9月のスタート、今週も1週間頑張ってまいりましょう。


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