2016/12/02 戦績
昨日、日本時間の午後10時半に米雇用統計が発表になるまで、円とポンド以外の通貨ペアは狭いレンジの中で動意が薄い展開でした。円とポンドに関しては、共に対ドルで若干の高値をつけておりましたが、それでも調整の域を出ない感じでした。
結果としましては、
と言う、事前予想が+18.0万人が市場コンセンサスでしたので若干のマイナスだったわけでして、今回に関してはこの若干の思惑が大きく値動きに作用したわけです。
市場はいつもワガママなので、時と場合によりまして発表された指標の見方が変わります。雇用統計で言いますと、ドル買いのパターンにも「前回よりあまり下回らなかったからドル買い」「前回より良かったからドル買い」「事前予想に近いからドル買い」「事前予想越えたからドル買い」「事前予想大きく越えたからドル買い」と言う度合いがございます。当然、後半に行くほど市場の期待が大きいために「このハードルを越えなければドル買いされない」と言う事でして、今回は市場の期待が上から2番目の「事前予想越えたからドル買い」と言うレベルであったのに越えられなかったため、ドル売りになったと言えると思います。もし、もっと市場の期待が低ければ、今回のこの数字でもドル買いだったでしょうし、むしろ、毎月数十万人規模で拡大を続けている雇用人数増加は、アメリカの好調を物語っているとも言えるので買いが入ってしかりです。
さて、たまに登場します、毎週ニューヨーク時間で金曜日の午後3時半(日本時間で翌土曜日早朝)に発表になりますシカゴIMM通貨先物ポジションですが、本日早朝に発表になった分を確認しましたところ、ドル円に関しては売買差が最近はずっと "買い越し" でして先週は「10,900枚の買い残」でしたが、今週はついに逆転しまして「269枚の売り残」となりました。
多くのヘッジファンドが利用しているため、シカゴIMM通貨先物のポジションは今後の流れを見るのに重要と言われておりまして、これを見ますと、この辺でようやくドル円の上昇が止まる要素が若干出てきたのかなとも思えます。当然、突発的な何かがあれば別ですし、米大統領関連のニュースや場合によってはFOMCしだいで、波乱がある可能性もございます。また、このポジションをもって即ドル円の下落を示唆するものでもありませんが、多少は上昇する力が抜けてきたかな程度はあるかと思います。
ちなみにユーロに関しては、先週は「119,348枚の売り残」今週は「119,240枚の売り残」でして、ほぼ変化がありませんでした。
12月2日ニューヨーク終了時点での、シカゴFFレート先物における金利織り込み度は、12月14日のFFレート発表分では100%(笑)。25bpの利上げ織り込みが96%、50bpの利上げ織り込みが4%と、これ今回も利上げを見送ったらどうなるのか、そっちの方が見たくて仕方がありません(笑)。